歯周病にはウイルスも関係!

 歯周病は細菌が主因では、「歯周病は、本当に細菌が主因なのか?、ウイルスが関係していないのか?、もう一度最初から検討し直すことが、歯周病の新しい治療法・治療薬の開発に繋がると考えています。」と述べました。

 歯周病とウイルスの関係については、まだ十分に解明されていませんが、次に示すように、日本大学歯学部の小方教授らは、歯周病が細菌とヘルペスウイルスとの共感染によって進行している可能性を示唆する論文を発表しています。

・小方ら:細菌・ヘルペスウイルス共感染による歯周病進行の可能性、日本歯周病学会会誌、56巻3号、p.267-271、2014年.

 上記の論文では、「EBV および CMV は,Herpes simplex virus(HSV)と共にヘルペスウイルス科に属するウイルスであり,日本人成人の 90%以上で潜伏感染が認められる。」とし、「ウイルス感染による免疫機能低下により、(1)歯周病原菌の増殖、(2)酪酸および炎症性サイトカインの増加、(3)歯周組織局所での酪酸による潜伏ウイルスの再活性化、(4)活性化ウイルスによる歯周組織からの炎症性サイトカイン産生の誘導が生じ、歯周組織の破壊と骨吸収の促進といった負の連鎖に繋がる可能性が考えられる(図2)。」としています。

 その上で、「EBV や CMV が“periodontopathic virus (歯周病原ウイルス)”となり得るのか、「細菌と宿主間の相互作用」に加え,「細菌-ウイルスの微生物間相互作用」という新たな視点に立った歯周病の病態の理解が新しい治療および予防法の開発に繋がることが期待される。」と結んでいます。

 その後も、日本大学歯学部の今井教授らは、ウイルスおよび細菌と宿主との相互作用機構の解明と疾患発症への関与について研究を続けており、「その成果として、歯周病原菌Porphyromonas gingivalisが潜伏ウイルスを再活性化する事、そのウイルスから放出された蛋白質が歯周組織細胞からの炎症性サイトカインの産生を強く誘導する事を見出しました。炎症と骨吸収が病態の特徴である歯周疾患において、炎症性サイトカインは最も重要なキーファクターです。細菌とウイルスが負の連鎖をつくり、歯周疾患の病態を悪化させていることが考えられます(図参考)。」としています。 

 以上のように、近年では、歯周病の発症と進展には、細菌だけでなくウイルスが関わっている可能性が高いことが、日本だけでなく世界中で報告されています。したがって、歯周病の新しい治療法・治療薬の開発には、細菌だけでなくウイルス対策をすることが重要であると考えられます。

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