歯周病は万病の元でも述べたように, 歯周病は、30歳以上の成人の約80%がかかっている病気で,様々な全身疾患と関係性があり,たかが歯周病と思って油断してはいけません。特に,糖尿病とは深い関係にあり,歯周病があると血糖値が高くなることや歯周病治療で血糖値が下がることが指摘されています。これらの関係は,歯周病専門医だけでなく,糖尿病専門医からも指摘されており,多くのエビデンス(証拠)が示されています。
糖尿病診療ガイドライン2019には,次に示すように, CQ13-5「歯周治療は血糖コントリールの改善に有効か?」という臨床的疑問(Clinical Question)に対して,その回答[ステートメント]は,「2型糖尿病では歯周治療により血糖が改善する可能性があり,推奨される[推奨グレードA](合意率86%)となっています。
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[推奨グレードA] とは,次に示すように,強い推奨であり,「推奨グレード決定のための4項目のうち,「はい」の判定が多く,ほぼすべての患者にとって推奨の対象となる行為を行うべきと考えられる」ということです。
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糖尿病診療ガイドライン2019 の推奨レベルの格上げは,歯科関係者にとっても大ニュースであったようで,2019年10月29日の日本歯科新聞には,次に示すように,1面トップで掲載されています。
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すなわち,糖尿病患者は,歯医者に行って歯周病の治療をしなければいけないし,両親などが糖尿病の人は,歯周病にならないように歯科医院に定期検診を受ける必要があります。逆に,歯周病の人は,糖尿病になる可能性が高いので,歯周病を早く治す必要があるということです。
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