地震とハザードマップ

 富山県は、全国でも地震や台風による被害が少ない県として知られており、富山県人は、「台風や地震が少ないのは、立山のお陰、立山が守ってくれている!」とよく言います。しかし、令和6年能登半島地震では、富山県全域で過去最高の震度5強を記録し、沿岸部を中心に多くの被害が出ました。県内の人的被害は、1月6日現在、死者2人、重傷3人、軽傷38人となっています。また、家屋被害は、全壊22件、半壊20件、一部半壊145件、程度不明151件、合計338件となっていますが、調査が進むとさらに増えると思われます。
 被災者の方々には、心よりお見舞い申し上げます。また、余震には十分気を付けて、安全と体調管理を第一にしてください。

 今回の地震では、富山駅に比較的近い我が家も震度5強の強烈な揺れに襲われました。しかし、2階のカラーボックス上の目覚まし時計が落下して壊れたのと、1階の仏壇内の香炉が倒れて灰が散乱したくらいで、被害は軽微でした。その理由は、次のような点にあると思います。
  1. 海岸からの距離や標高は十分で、津波の危険が少ない。
  2. 富山市内でも比較的地盤の良い土地(場所)に建っている。
  3. 4年前に新築したので、最新の建築基準で建てられている。
  4. 軽くて強いガルバリウム鋼板なので、瓦屋根よりも地震に強い。
  5. 強風域で筋交や耐震壁が多いため、風だけでなく地震にも強い。
  6. 食器棚にはストッパーが付いており、地震時に扉が開かない。
 3.~5.は建て替えやリフォーム、6.は買い替えで対応可能ですが、1.2.は、家を建てる土地(場所)によって決まります。今回のような地震や津波などの災害が起こると、安全な土地を選択することが非常に重要であることが再認識されます。では、安全な土地を選択するには、どうすれば良いのでしょうか?

 1.の海岸からの距離や標高は、東日本大震災で津波の怖さが分かっているので、自分で調べている人が多いと思います。富山県/津波浸水想定の公表についてでは、次に示すように、最高津波は、滑川市6.8m、富山市・魚津市5.5m、到達時間は2~3分となっています。過去の大災害では、想定を上回る地震や津波が発生し、想定外の被害が多発していることを思い出してください。津波の速度は、海岸付近では秒速約10m=時速約36kmと言われています。想定外の高さ10mの大津波が来た場合、海岸から富山駅まで約10分で到達しますので、直ぐに逃げないと危険です。

 2.の地盤の良い土地は、自分で調べるのが難しいので、不動産屋や住宅メーカーの話を鵜吞みにしている人が多いと思います。しかし、不動産屋や住宅メーカーは、営利企業ですので、自社に都合の悪いことは言いません。例えば、不動産屋は、土地や建物の売買で重要事項を説明しますが、その説明書には、造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域・水害ハザードマップなどの項目がありますが、軟弱地盤や液状化の項目はありません。また、住宅メーカーは、家を建てる前に地盤調査を行って、その結果に基づいて地盤改良を行いますが、大地震による振動や液状化を完全に防ぐのは困難です。住宅が大丈夫でも、周辺の道路、電気・上下水道などが被災すれば、生活できません。

 したがって、地震や津波による災害を防ぐには、不動産屋や住宅メーカーの話を鵜吞みにせず、自分で安全な土地や住宅を調べる必要があります。専門家でなくても、インターネット上のハザードマップを利用すれば、比較的簡単に安全な土地を調べることができます。例えば、富山市では、インフォマップとやまの防災情報マップを開いて住所を入れると、その付近の建物全壊率、震度想定、液状化危険度、津波最大浸水深などが表示されます。
 富山駅周辺の液状化危険度を表示すると、次の図のようになります。この図を見ると、能登半島地震のような大地震が富山で発生すると、富山駅はもちろん、富山県庁、富山市役所、国土交通省の富山河川国道事務所なども、液状化危険度=「高い」であり、防災拠点として機能するのか心配です。

 富山市では、呉羽山断層が動くと能登半島地震に匹敵するような地震が来ると言われています。日本列島は、地震の活動期に入っており、日本全国何処でも大地震が発生する恐れがあります。これから土地や住宅を購入する人は、是非ともハザードマップを参考にして、少しでも安全な土地を選択してください。
 また、今回の地震で被災された人は、次に示す日本建築学会 住まい・まちづくり支援建築会議、復旧・復興支援WG「液状化被害の基礎知識」の中の「5.液状化被害を受けた場合の修復方法・費用」が参考になると思います。

 最後に、もう一度、被災者の方々には、心よりお見舞い申し上げます。また、余震には十分気を付けて、安全と体調管理を第一にしてください。

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技術士事務所 竹内技術研究所
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